【Hot Topics】樹木医とは?
- H.Nakamura
- 6月11日
- 読了時間: 4分
更新日:6月12日
urTREEサービスを運営していて、樹木医について聞かれることがあります。
「樹木医さんは、たくさん居るの? 資格が要るの? 」
日本において樹木医のニーズは拡大しておりますが、まだまだ一般的な認知は大きくないと感じることがあります。
今回は「樹木医」について紹介したいと思います。

「樹木医」という認定制度は、1991年に誕生しました。
これは、巨樹・名木の枯死や都市緑化樹の衰退が社会問題となったことを背景に、
(一般財団法人)日本緑化センターが制度化したものです。
農業・林業とは異なり、個別の樹木や都市部の緑の保全に特化した専門職として設けられました。
日本国内における樹木医登録者の総数は令和6(2025)年6月1日時点で、3071名です。

◎樹木医の主な役割
・診断と治療:樹木の健康状態を調査し、病害虫や衰弱の原因を特定して、対処法を提案・実施。
・保全と管理:歴史的・文化的価値を持つ樹木(例:御神木や街路樹など)の維持管理。
・樹木の再生活動:移植、剪定、施肥などを行い、衰弱した樹木の回復を図る。
・市民への啓発活動:環境教育や地域住民との協働など、緑の重要性についての理解を促す。
◎樹木医になるまでの流れ(2025年現在)
▽受験資格者▽
以下のいずれかに該当する必要があります:
・樹木の調査・研究、診断・治療、保護・育成・管理、公園緑地の計画・設計・設計監理等に関する業務経歴が5年以上。
・大学で森林・園芸・造園・農学・生物など関連分野を専攻した樹木医補の場合は、実務経験が1年以上。
▽資格試験▽
第1次審査・・・樹木医に必要な知識及び技術について筆記試験及び業績審査
第2次審査・・・研修(講義と実習)と面接試験
上記の年一度(5月)に行われる一連の試験を受けて合格したした方が樹木医の登録者として認定されます。
▽資格更新▽
樹木医は5年毎の登録更新が義務化されています。
登録更新の条件として、樹木医CPD100単位以上/5年の取得が必要です。
国家資格ではありませんが、専門機関の日本緑化センターにより、受験資格者の制限、資格試験、定期更新等が制度化されております。日本国内で約3,000人程度の登録者数となります。
◎樹木医のニーズ拡大が見込まれる要因
・気候変動の影響:
高温・乾燥・台風などにより、都市部や森林の樹木がストレスを受けやすくなっている。
・都市部の緑化需要:
ヒートアイランド現象対策として街路樹や屋上緑化の重要性が増す。
・高齢樹の保全:
全国各地にある文化財的な古木・名木の管理ニーズが拡大。
・再開発と共存:
都市開発や防災インフラ整備と並行して、樹木を守る専門家が必要に。
◎ 特にニーズが高まる分野
・自治体・官公庁の緑化政策支援
・民間企業(建設・造園会社)との連携業務
・学校や地域での環境教育・啓発活動
◎現状の課題
・人材不足:
実務経験が長期間求められるため、若手人材の確保が難しい。
・高齢化:
既存の樹木医の高齢化が進んでおり、次世代への継承が課題。
・制度の周知不足:
一般には「樹木医」の役割がまだ十分に理解されていない。
・収入の不安定さ:
公的依頼が中心のため、フリーランスや中小企業所属の樹木医の収入は安定しにくい。
・科学的根拠の共有不足:
診断技術に個人差があり、体系的なデータ共有や評価方法の整備が求められている。
樹木医は、気候変動と都市緑化の時代においてますます重要になる専門職です。今後は技術力だけでなく、環境教育や多分野との連携スキルも求められるでしょう。また、樹木医の認知度向上とノウハウ(ナレッジ)の共有は急務の課題といえます。
urTREEでは庭の終活サービスを提供しており、ご高齢になられたお客様から自宅の庭を整理しておきたいというご相談が増えております。
解体作業だけをご提案するだけでなく、状態の良い庭木は査定を行い、次の庭主への引き継ぎを試みます。
私たちは、各地域の植木屋・庭師(樹木医)と連携して、
価値ある庭木を保護(買取・譲受)し、
お客様の『庭の終活(庭じまい)』をお手伝いします。
今回の記事が庭の終活をご検討いただく良い機会になると幸いです。